おもしろい映画見た

rymugi2005-08-29

  • 映画

Grizzly Man

年食ってもなおプログレッシブな映画作りをやめないドイツ人、ヘルツォークの新作ドキュメンタリー。キンスキーも相当変態だったけど、今度の対象はなんと熊男。やっぱりド変態。アラスカで熊を守り、熊とともに夏を過ごす(実際何してるかよくわからないのだが)こと13年。危険をかえりみず熊に近づいていく。彼の自分自身を撮り続けた映像をヘルツォークが愛と皮肉を込めて送る傑作。こいつカメラの前でとんでもなく構えるのだが、それが笑える。相当なナルシストなはず。おもしろいのはヘルツォーク自身が語り手として、さらには一人のキャラクターとして登場する。そのせいか随分と主観的なドキュメンタリーになっております。この熊男、13年目の夏、ついに熊に食い殺されてしまった。で、この死が映画中に充満しており、映画のスパイスになっている。自然をコヨナク愛し、それを破壊する人間を憎む、慈悲深い漢なのか、ただの馬鹿なのか、かなり微妙なところだが、この辺がこの映画の魅力なのだ、と思う。俺はきっと馬鹿なんだと思う。